一生モノとして買った時計 ビッグ・レベルソ(名機cal.822)(後編)

はせじです。

 

さて、後編です。

前編では時計趣味で大切にしていること、足を使って直感的に好きな時計を3本まで絞ったところまで書きました。

後編では、一生モノとしてビッグ・レベルソを購入するに至った経緯をつらつらと書いていこうと思います。

 

ちなみに購入したのは2018年春なので、もうだいぶ月日は経ってしまいました。それからまた色々な時計と出会って考え方が変わった(深化した?)点もありますが、当時の感覚を思い出しつつ文字にしていこうと思います。当時あれこれ悩んだときに時計仲間に相談した時のメールなどを見返すと、とても懐かしい気持ちになるとともに、ご縁に改めて感謝感謝でございます。

 

 

<2択からが絞れない>

前編で書いた3本から、次の2本まで直感的に絞りました 

①ショパール・LUC

ジャガールクルト・レベルソ

 

さて、ここからです。ここからが絞れません。

ショパールブティックには何度も足を運びました。XPSいいですよね。ちょうど足を運んでいたときにステンレスのXPSが在庫であるという時もあり、もうその場で決めようかと思った時もありました。

一方、ジャガールクルトもブティックや百貨店、中古屋を色々と巡りました。レベルソでも色んな種類ありますよね。裏面も文字盤のタイプ(デュオ)や、限定モノなどまで視野に入れ始めるとキリがありません。。。

 

 

<名機cal.822との出会い>

ここで、題名にある名機cal.822に少し話が近づいていきます。

2017年9年。私はジャガールクルト銀座並木ブティックで開催されている「マスタークラス」に参加しました。その時の感想を、Watch Media Onlineに投稿してます。

watch-media-online.com

 

ここで、私はジャガールクルトーの時計修理技師さんとともに、実際に機械(ムーブメント)を一通りピンセットとドライバーを使って、分解と組み立てを行いました。

大鏡(キズミ)を装着して、ネジを1本ふっとばして紛失させながら(本当にごめんなさい)何とかやり終えたときはとても感動しましたね。。キズミから見える精密な機械の美しさ、くみ上げた時のテンプが動き出す時の感動、チューニングの職人技、、私の大切な原体験のひとつです。

この時の経験から、初めて自らの手で機械に触れた時計としてジャガールクルトは特別な存在になっています。で、その時に丁寧に根気よく付き合っていただいた修理技師さんにこんな質問をしてみたのです。

ジャガールクルトのムーブメントを一通り触っていると伺いましたが、機械として最も優れているキャリバーは何だと感じますか?」

 

この答えで返ってきたのが、題名にあるcal.822になります。

 

 

<cal.822ってなんだろう・・・?(ここだけ専門用語あり)>

ちょっとググってみよう。ジャガールクルトで働いている人のみならず、時計愛好家や時計雑誌でも実はcal.822は名機として取り上げられていることが多いです。

 

例えば下記愛好家ブログを引用させていただくとこんなこんな説明があります。

http://www.geocities.co.jp/Stylish/8604/HTML/R_Movement.html

<Cal.822>

代表的な時計: Big Reverso
1992年、21石の手巻き角型メンズ用キャリバー。モセコ三針、6振動。

私見
 非常に古典的な外見を持つ、比較的新しい設計のキャリバー。角型スモセコ輪列の王道をいく設計。PP9-90やIWC87などと輪列配置は基本的にほぼ同一、というかもはやいじりようのない配置であろう。
 この年代で設計されたものとしては奇跡的とも思える、チラネジつきテンプ。ブリッジの分割形状や大きな2番の見え方など、個人的には大変に好きなキャリバー。手巻き感も最高に好み。コハゼの構造が比較的簡略なものとなっており、その味を感じる巻き心地となっている。5姿勢調整が標準で、精度の面でも申し分ない。スピロフィンつきで緩急調整はこれによるファインアジャストができる。さらにガンギ車の受けにも伏石(Capped Escape Wheel)と耐震装置が標準、香箱真も石入りと言うド級のスペック。素晴らしい!
 この機械もJLCの他の機械の例に漏れず、コンプリモジュールを追加することを前提に設計されたため実は2.3mmとかなり薄い機械であり、この点でもJLCらしいといえる。なおVCやIWCにも出している(VCの正方形の時計にこの機械はいささか合わないと思うのだが)。ランゲの角型機械との関係が注目されるが、JLCは無関係と言う。

 

今でこそ私はだいたい理解できます。ただ、今まで時計のことがよくわからない読者の目を意識して分かりやすい表現を貫いていたものの、ここで完全に置き去りになりましたね。中段にある「素晴らしい!」に共感できる方は是非談義しましょう。笑

若干テクニカルな要素については別途ブログを書く予定です。(それにしても上述したブログの完成度というか、熱量がハンパじゃない)

 

 

<cal.822復活・・・?>

さて、ここら辺までくるとcal.822が搭載されてる時計が欲しいなーと思ってくるわけです。そんな時にこんな時計雑誌クロノスの編集長広田さんがこんなことをつぶやいていました。

 

「名機cal.822が復活するらしい」

 

www.digimonostation.jp

 

レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンドがcal.822を搭載して発売されるというニュースが時計界隈を賑わせました。

もちろん私も実機を見るべくブティックに赴いた。しかし、大人気でバックオーダーしかない状況。実物を見ることなくオーダーするということは、なかなか私にはハードルが高く、またもや悶々とする日々がつづいた。その後百貨店でたまたま見る機会に恵まれ、私の心はほぼ固まった。と思いました。。。

 

 

<882A/2...?>

「レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンドを買おうか本気で悩んでいる」と何人かの時計愛好家に相談してみました。反応は様々でしたが、とある桁違いの愛好家の方々に聞いて、私はとてもシンプルなことに気付きました。

 

 

レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンドのキャリバーは822ではなく、822A/2である

 

 

この差が私を決定的にビッグ・レベルソに向かわせる要因となりました。。

後編と言いつつ終わらなかったので続きは最終回で!